資格社会

みなさんこんにちは、のたです!

世の中には様々な資格がありますね。
日本では、一級建築士やキャリアコンサルタントのような国家資格からチョコレートソムリエ資格やスムージースペシャリストなんていう本業には関係なくても趣味の極みとして取得できるような資格など幅広く多様な資格が存在し、ユーキャンなんかが資格取得支援/学習サービスを展開していたりして、一時期資格取得ブームなんてありましたね。

一方で、資格がないとできない仕事は少ないように感じます。人の命に関わる医者や国の法律に関係し、人の人生を左右させる場面に関わる弁護士なんかは当然、その職に就くために資格が要求されますが、飲食店やお花屋さんでバイトをするにに資格が必要でしょうか?
そんなことないですよね、特に飲食店は学生がバイトするところをよく見かけますし、私自身が学生だったときも飲食店でバイトをしている友人は多くいました。

オーストラリアでは状況が違います。バイトだとしてもアルコールを提供する飲食店で働くにはRSA(Responsible Service of Alcohol)と呼ばれるライセンスが必要になりますし、お花屋さんで働くにもTAFEと呼ばれる一種の専門学校の修了資格が必要になります(私の場合は、コネ採用でかつブーケ作りには関わらない雑用ポジションだったのでセーフでした)。コーヒショップでバリスタとして働くにも同様です。一番びっくりしたのは、釣りをするのにもライセンスが必要だということです。漁師じゃあるまいし、趣味として釣りをするのにもライセンスが必要なの?と驚きでした。
どれも日本では、未経験で何の知識がなくてもタウンワークをみて電話して面接に通れば、働ける仕事だったり、思い立ったらすぐに始められるものです。

この違いはなんで生まれるのでしょうか。
おそらく理由は1つではないと思います。社会問題や文化的背景が絡んでくるものもあるでしょう。(例えば、アルコールが起因となる暴動が起きたため、アルコールを提供する際はお客さんがまだ意識がしっかりしておりさらにアルコールを摂取しても問題ないと判断できる人材を配置すべき、などの世論や社会情勢が広がったなど)
そして、そのうちの1つには何を持って人が人を信用するのか、の違いにあるのではないかと思います。日本では、ポテンシャル重視で人柄がよければOK、この人は信用できる、と判断されることが多いですが、オーストラリアではそれだけでは不十分で、その道に進む覚悟と経験はあるのか、それを見た上で信用できるかを判断しているのかなと思います。(時間とお金をかけて資格を取得するという行為を通じて覚悟を示し、特定の分野について相応の知識があることを証明することになる)
では、なぜその差が生まれるの?と深堀りしていくと今度は歴史的背景や地理的背景が関係していくのではないかと思いますが、ここではそこまで触れるのは一旦やめておきます。

鶏と卵、どちらが先かという議論はありますが、こうして世の中や人々の思考の特性が、社会のシステムに組み込まれているというのは非常に面白いですね。