お花に囲まれて幸せ。の価値観

みなさんこんにちは、のたです!

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 こちらの過去記事で、ざっくりこれまで歩んできた人生をお話ししましたが、オーストラリアに行った時は、それまでの日本の仕事をやめ、無職の状態でした。
それなりにきちんと貯金をしていったつもりでも、日本より物価の高いオーストラリアで無職の状態で暮らし始めると貯金残高は減るばかり(シェアハウスに住んでも、1週間の家賃が平均で300ドルもするんですよ!!)。不安になった私は、バイトを探すことにし、運よく人づてに紹介してもらったお花屋さんで仕事をゲットすることができました。

そこのお花屋さんは、個人経営のお店で、オーナーは結婚していて2人のまだ小さい子供がいるお母さんです。普通の家を改装し、1階をお花屋さんに、2階の2部屋をシェアハウスとして貸し出ししているような、こぢんまりとしたお店でした。

お花屋さんの1日は、その日のお花を市場で仕入れることから始まるので、実はパン屋さん並みに早くに始まります。仕入れたお花を綺麗にトリムして、前日に洗った花びんに種類ごとに移し、店頭に並べる。お客さんがくれば、オーダーを受けて、ブーケを作り、、、時にはウェディングのオーダーも受けて、ウェディング用のブーケやコサージュ、会場の飾り用のお花も用意してウェディング会場にお届けしたりすることもあるんですよ(私も1回だけ経験しました。とっても綺麗で素敵です)。お客さんが来ない時でも、決められた時間にはお店に並んでいるお花のお水を変えたり、元気がなくなった枝葉を落としたり。そして1日の終わりには、また翌日新しく仕入れるお花用に花びんを整理して洗う。意外と忙しいんですよね。
オーストラリアは自然を大切にする国ですし、Special occasionにはお花を贈り合う文化があるようなので、日本よりもお花は売れるのでしょうが、それでもオーナーに聞くと、売上から次のお花の仕入れ代や人件費など経費を引くと、利益はほとんどゼロだそうです。

私は不思議でした。まだ子供が小さいし、忙しくて(市場に行く日は朝4時スタート)、稼ぎも薄いのに、なぜお花屋さんをやるのだろう。
オーナーは笑って言っていました。「子供の世話で疲れ果てたり、嫌なことがあって落ち込んだり、眠くて朝起きるのが辛い時があっても、ここにきてお花に囲まれていると幸せな気持ちになるのよ。お花の生命力を感じて元気をもらえるの」
とっても素敵だなと思いました。多くの人が仕事選びをする時には、給与やタイトル、福利厚生を気にしたり、ある程度安定した暮らしがしたいと願いそのために仕事をするものですが、彼女の場合は自分が何を好きかを自覚し、その素晴らしさを毎日きちんと感じ、労働=お金のため/生活のためという概念を完全に越えていたのです。
もしも例えば企業の社長になるのが難しかったとしても、お金が欲しかったら、カフェやレストランでアルバイトするのでも良いのです。その方が彼女にとったらずっとお金になるんですから。でも、彼女にとって大事なものはそういうことではないのです。

私はお金に貪欲になることが悪いとは言っていません。また、お金に貪欲でなく、意地汚くないから良いと言っているわけでもありません。いわゆる世の中の一般的な価値観に惑わされず、自分の価値観を持ち、それを自覚し、それに従い生きている姿が、凛としていて素敵だなと思ったのです。

日本では、人と違うことが悪いこととみなされる風潮があり、少し「ズレる」と変な人、変わっている人などというレッテルを貼られます。そして人と違うことを思ったり感じたりすると、そう言ったレッテルを貼られるのが怖くて、自分の素直な意見が言えなかったり。
でも、それぞれ持っている価値観が違うだけなのです。その違いこそが個性で、その人をその人らしく輝かせるものなのです。

もともと私はお花に無頓着でしたが、彼女に出会い、お花屋さんで働き始めてから、なるべくお花を生活に取り入れるようにしています。そしてそのお花を見るたびにこのお花屋さんやオーナーのこと、自分に正直に生きている人の美しさや価値観は人それぞれであることを思い出すのです。

 

写真は働いていたお花屋さんの写真😌

 

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